2007年6月12日火曜日

憲法九条を生かす具体案としてのUNEPS

国連緊急平和サービス(UN Emergency Peace Service:以下、UNEPS)構想の推進は、憲法九条改正への具体的な対案としての提示です。

■国際的な構想

この構想は私ども独自のものではありません。PKOの裏表を熟知する「PKOの父」と謳われた元国連事務次長による提案であり、その提案を受けて構想を推し進めようと考えたCSO(NGO・NPOを含む市民社会組織の総称)、そしてこの構想に賛同する米議会議員らにより、常に進化し続けている構想です。

また、この構想の世界における最新の状況を確認すべく、私どもは今年5月に実際にアメリカに渡り、米CSOらと協議を行い、これから日本でどのようにこの構想を推進するかを具体的に話し合ってきました。また、この構想を単に日米間のものにしないために、ドイツなど日本と事情の近い国々の議員とも近々この構想の実現性・相互協力の可能性について協議を行う予定でおります。

■構想のバックボーン

この構想のバックボーンには、単に国連の著名な人物による提唱であるということでなく、国連の組織の中で、事務総長に対する報告書として提示された、カナダ政府主導の国際委員会ICISS (※参考資料5)による成果文書『保護する責任』報告書(※参考資料1,2,3)に基づいて進められているという事実があります。

UNEPS 構想とこの「保護する責任」(Responsibility to Protect:以下、R2P)は必ずしも同時期に発生した考え方ではないのですが、近年これら別個の考え方が融合し始めており、関係者の間では一体化された形として二つの構想が進化を遂げているのです。

このR2Pの理念については、日本政府は、軍事的介入も“含まれる”オプションであることから慎重な態度をとり続けています。以下のWikipediaのエントリ(参考資料6)にもあるように、R2Pの理念は、その上位理念である「人間の安全保障」(Human Security:HS)の考え方から派生したものですが、日本政府はこのHSの理念について積極的に推進しつつも、R2Pという軍事的介入が含まれる介入オプションについては非常に慎重です(※ 参考資料4)

■日本の平和構築外交の基軸政策としての立案

しかし、R2P の理念をバックボーンに成長・発展してきたUNEPS構想は、従来の国家による軍事的介入とはまったく性格が違うのです。そこを強調して、私たちはこの構想を九条改正の対立軸と提示し、議員立法によりこの構想の有効性を国会で認めさせ、推進してく積もりでいるのです。そのために、勉強会を重ね、各国有識者を招いて懇談会を行い、政府関係各省庁を説得し、日本の平和構築外交の基軸(九条改正ロジックに対する対立軸)にしようと、具体的に動こうとしているのです。

私どもは、UNEPS構想を実現性の高い構想として受け止め、現実性のあるものとして政策立案を行っていく構えです。

 参考資料:






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